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Metron KOWA(2-Isopropyl amino-6-methyl heptane hydrochloride)のアレルギー性皮膚疾患に対する治験
THE TREATMENT OF ALLERGIC SKIN. DISEASES BY METRON (2-ISOPROPYL AMINO-6-METHYL HEPTANE HYDROCHLORIDE)
宮沢 偵二
1
Teiji MIYAZAWA
1
1仙台逓信病院皮膚科
1Dept of Dermat. Sendai Teishin Hospital
pp.85-89
発行日 1961年1月1日
Published Date 1961/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202983
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I.緒言
Metron KOWA(2-Isopropyl amino-6-methyl heptane hydrochloride)は脂肪族アミン類のIsopropyl置換体であり,興和化学研究所の太田等の実験によると,強力な気管支拡張作用を認めるが,血圧,心運動に対する影響は殆どなく,河本等はこの作用を利用し,24例の気管支喘息に1週間試用し,50%の有効率を認めた。本薬剤の作用の中で我々の注目を引いたものは相当強力な毛細血管透過性低下作用及び抗ヒスタミン,抗アセチールコリン作用である。血管透過性亢進という機序がアレルギー性炎に於いて占める位置は相当高く,土肥1)はアレルギー性皮膚疾患に於て,特に強い血管透過性因子を患者血清中に認めた。北村2)はアレルギー病変発生機序の一つとして,血管透過性増強の一項目を設けた。畔柳3)はアレルギー病変を含めて,適応の失調の発現機序として,線維素溶解酵素の活性化が血清の毛細管血管透過性亢進作用の出現を来し,これが毛細管血管透過性の亢進を招来して病変を起すと考えた。したがつて透過性低下作用は有力な抗アレルギー作用と考えられ,我々はこの点よりアレルギー性皮膚疾患に試用し,皮膚科の立場より本剤の抗アレルギー作用について臨床的に検討して見た。
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