Japanese
English
皮膚科図譜・91
黒色糸状菌症
Chromoblastomycosis
福代 良一
1
,
香川 三郎
1
,
垣内 洋二
2
Ryoichi FUKUSHIRO
1
,
Saburo KAGAWA
1
,
Yozi KAKIUCHI
2
1東大医学部皮膚科
2国立横浜病院
pp.1203
発行日 1958年12月1日
Published Date 1958/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202403
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- Abstract 文献概要
56歳,農夫,横浜戸塚居住。外傷の病歴はない。5,6年前に発病,緩慢に拡大した。自覚症状はない。現症(第1図):右の乳嘴を中心とするほぼ円形の病巣があり,乳暈像は消失している。大さは3.8×3cm,境界鮮明,扁平にいくらか隆起し,蒼紅色,多少の浸潤を触れる。表面に多少の凹凸があり,細い鱗屑を附着する。圧しても膿汁は出ない。クロモブラストミシン反応陰性。組織象(第2図):角質増殖,表皮もやや増殖,病変は真皮上層に限られ,処々に小さい類上皮細胞結節があり,小円形細胞浸潤がこれを囲んでいる。結節のあるものは中心に微小膿瘍を備え,そこに褐色の胞子の団塊が認められる(第3図)。組織片より黒色糸状菌が分離培養され(第4図),それは主として不規則な分節胞子を形成し,Torula poikilospora Takahashiと同定された(第5図)。
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