Japanese
English
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Diphenylpyraline-resin Complexによる抗アレルギー効果の持続について
DIPHENYLPYRALIN-RESIN COMPLEX FOR PROLONGED ANTIALLERGIC ACTION
鶴見 和弘
1
,
中山 創生
1
,
押木 貞雄
1
,
藤山 正夫
1
Kazuhiro TSURUMI
1
,
Masao NAKAYAMA
1
,
Sadao OSHIKI
1
,
Masao FUJIYAMA
1
1信州大学医学部皮膚泌尿器科教室
1Department of Dermatology ana Urology, Faculty of Medicine, University of Shinshu
pp.425-432
発行日 1960年5月1日
Published Date 1960/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202816
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I.はじめに
薬剤の生体内における効果に対し,その投与形式の問題は従来比較的等閑に付されているようである。薬物が生体内へ吸収され,有効な持続を保つことの必要性から,ペニシリン,性ホルモン剤等の油性懸濁液ができたが投与時期が生体内効果に大きく影響する場合も考慮されねばならない。最近,清水1)は制癌剤がin vitroの実験では優れた効果をみせるに拘らず,臨床的にはあまり効果ない点を薬物投与形式の面から再検討し,癌細胞のMytoseの時期を逸せず投与するようにすれば有効であり,そのため投与回数は殆ど連続的にする必要があるとのべた。内服剤投与の場合,薬物の腸管内持続性を維持する手段として従来種々の腸溶被顆粒およびペレット,可溶性被膜錠,多層錠などが考案されたが,これらは消化液の生理的変動や種々の体質的差異などの因子により所期の効果を期待することが確実でないうらみがある。近年Saunders and Srivastava2)(1950)はイオン交換樹脂を利用するアルカロイドの放出にはResinが適しているとのべたが,イオン交換性Resinは完全不溶性で毒性がなく,薬物に結合させて経口投与すると消化管内で薬物を一定の割合で消化液と置換放出する作用が持続的に行われる。
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