Japanese
English
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陰茎折症
FRACTURE OF THE PENIS.
蔡 衍欽
1
Enkin SAI
1
1名古屋大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, School of Medicine, Nagoya University
pp.1410-1414
発行日 1959年12月1日
Published Date 1959/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202724
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緒言
陰茎折症は比較的稀な疾患で本症の発生には必ず陰茎の勃起を前提条件としなければいけない。この勃起せる陰茎に急激に或は鈍的に外力が加えられた場合,勃起により薄くなつた白膜及び海綿体が損傷を受け血腫を形成し陰茎が異常に屈曲し恰も骨折の如き状態を示すことは周知の如くである。時には海綿体からの出血により生じた血腫が尿道を圧迫し排尿困難或は尿閉を起すことがある。又海綿体の破裂と共に尿道が損傷されることもある。
本疾患の起り得る可能性はかなり多い様に考えられるが本邦に於ける報告例は意外にも少なく僅かに長谷川,小林,大森,田辺,佐藤,飯田,秋山,本間,千野,福島,片山,志賀等の6例のみである。欧米に於ても本疾患は稀であるとされFetter and Gartmanは1926年から1935年迄の文献から10例の報告例を見たのみである。1936年以後はアメリカの文献では1例も報告がなく,1954年になり始めてThompsonが彼の臨床経験25年間に於て初めて本疾患に遭遇したと述べている。Creecy and Beazlie等は最近の文献より19例(自験例3を含む)を集め報告している。
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