Japanese
English
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Sulfamethoxypyridazineの皮膚科領域における使用経験
EFFECT OF SULFAMETHOXY PYRIDAZINE ON DERMATOLOGICAL AREA
中尾 正敏
1
,
田口 博
1
M. NAKAO
1
,
H. TAGUCHI
1
1大阪大学医学部皮膚科教室
1Dermatological institute, Osaka University
pp.1283-1285
発行日 1959年11月1日
Published Date 1959/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202695
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近年,種々の抗生物質の発見が相次ぎ,その華々しい発展の蔭にあつて,DomagkのProntosilに始まる化学療法の輝かしい歴史も往時の輝きを失つた感があるがその間もSulfa剤の改善に対する不断の努力が続けられた結果,血中濃度とその持続時間,各臓器に対する分布,副作用等の点について従来のSulfa剤にみられぬ優れた特徴をもつ新らしいSulfonamideが合成されるに至つた。即ち,以下にその臨床治験例を報告する。
Sulfamethoxypyridazineもその一種であつて,R.L.Nichols,A.R.Friskその他の研究者の記載によればその化学構造は
(図省略)
で表わされ,その特性としては,腸管より速やかに吸収され最高血中濃度が高く,各臓器へよく分布されること尿中への排泄が比較的緩徐で血中有効濃度の維持が長期にわたること,従つてその内服に当つては用量が少なく(在来のSulfa剤の約1/8)又服用回数も1日1-2回程度でSulfadiazineとほぼ同様の抗菌力を示すこと,尿中の溶解度が高く,Acetyl化体形成が比較的少いので副作用も少いこと等幾多のすぐれた性能をもつている。
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