Japanese
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薬剤
皮膚科領域におけるコリマイフォーム(CF)の使用経験について
CLINICAL EXPERIENCES OF COLIMY FOAM (CF) IN THE DERMATOTOGICAL FIELDS
池田 重雄
1
,
水谷 ひろみ
1
,
宮田 肇
1
,
新村 真人
1
,
前田 豊秀
1
Shigeo IKEDA
1
,
Hiromi MIZUTANI
1
,
Hazime MIYATA
1
,
Masato NIIMURA
1
,
Toyohide MAEDA
1
1東京大学医学部皮膚科教室
1Department Dermatology, Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.941-953
発行日 1969年9月1日
Published Date 1969/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200556
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I.はじめに
近時,種々の抗生物質含有軟膏が市販されるようになり,一般家庭常備薬的に使用されるためか,ペニシリン,クロラムフェニコール,マクロライド系抗生物質に耐性を示す黄色蕃葡状球菌(Staph. aureusと略す)感染症が多くなつてきている様な傾向が伺われる。また広範囲熱傷潰瘍面ないし陳旧性熱傷潰瘍面(第Ⅲ度),慢性放射線皮膚炎に屡々見られる難治性放射線潰瘍,癌性潰瘍面等では,ペニシリン,クロラムフェニコール,マクロライド系抗生物質耐性のStaph. aureusの他に,緑膿菌の混合感染がみられ,より一層潰瘍面の創傷治療傾向を遅延させている様な印象を受ける事が稀ならず認められる。
コリマイフォーム(CFと略す)には,泡沫中1gにコリマイシン(硫酸コリスチン,CLと略す)3mg力価,フラジオマイシン(FRMと略す)3.3mg力価が含有されている事からして,CLおよびFRM感受性菌による種々の皮膚感染症がその適応となるが,上述した様な種々の難治性潰瘍が本剤の良い適応となりうるように考えられる。
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