Japanese
English
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項部菱形皮斑—特にその発生に及ぼす日光光線の影響について
CUTIS RHOMBOIDALIS NUCHAE :(WITH SPECIAL REFERENCE TO THE ROLE OF THE SUN'S RAYS PLAYED IN THE OCCURRENCE OF THE DISORDER)
伊崎 正勝
1
,
高須 惟夫
1
,
道又 亨
1
,
高野 清
1
Masakatsu IZAKI
1
,
Nobuo TAKASU
1
,
Kiyoshi TAKANO
1
,
Toru MICHIMATA
1
1岩手医科大学皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, Iwate Medical College
pp.1239-1246
発行日 1959年11月1日
Published Date 1959/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202686
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本症は高齢の男子特に屋外労働者に多い一種の老人特有の皮膚疾患であるが,その原因としては外界刺激による障害が挙げられており,特に気候的関係就中日光光線による影響が重視されている。著者の1人伊崎は嘗て,慶応義塾大学病院皮膚科泌尿器科外来患者並に入院患者,国立大蔵病院入院患者のうち満31歳以上の者,及び横浜第1保護寮在佳の老齢者総計585名の一般男女を研究材料とし,本症の発生頻度を統計的に調査し(第1表),本症が女子には甚だ僅少に(女子250例中1例のみ,72歳),男子に於いては335例中27例(8.1%)に本症患者を見出し(最低44歳,最高80歳,平均63歳),その発現頻度は年齢に関連し,特に60歳代以上の老齢者に多い事を知つた。その際,本症の発生に及ぼす日光光線の影響を知るべく調査し,本症患者28例中21例(75%)が日光光線の影響を顕著に受ける職業に従事していた事を確認した。一方,それにも拘らず,本統計に於ける本症の発現率(一般人一男子)と日光光線の影響を受け易い農業に従事する同じく30歳以上の男子329名に於ける本症の発現率11.9%(小玉)との問に推計学的に何等有意の差を認める事が出来なかつた。
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