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アレルギー性鼻疾患に対するハイスタミンの治療効果について
岩崎 広次
1
,
堀川 泰義
1
1済生会松阪病院耳鼻咽喉科
pp.555-559
発行日 1961年6月20日
Published Date 1961/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202695
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I.まえがき
近時,アレルギー学のすばらしい躍進は,過去30有余年を振り返れば一目瞭然ではあるが,未だ群盲象を撫でるの域を脱した訳ではない。
耳鼻咽喉科領域のアレルギー性疾患に関する報告は欧米特にアメリカに多く,アレルギー性要因を考えねばならない疾患は実にその90%にも達するとの見解がある。此の様な極端な考え方は一途に信ずる訳にもゆかないが,臨床医家として既知の知見に更に新しいものを積み重ねてゆく行き方,これが吾々に課せられた責務であり,群盲象を撫でるの域を脱する確実な方法であると考える。移り変りゆくアレルギーの概念を注意深く見守り,そして新しい知見を求めてゆく行き方,それがやがて耳漏や鼻漏をより早く否完全に停止せしめる道につながつているのではなかろうか。
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