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わが教室に於ける癌反応(その3)—シナホリン皮内注射による癌反応について
CANCER REACTION IN OUR CLINICAL DEPARTMENT (No.3):(Cancerreaction by synahorin intracutaneous iniection)
佐藤 威
1
Takeshi SATO
1
1久留米大学泌尿器科教室
1Department of Urology, Kurume University School of Medicine
pp.381-383
発行日 1959年4月1日
Published Date 1959/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202530
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I.緒言
最近の癌研究の進歩に伴い,多数の抗癌剤が発見されて治療上に於ける功績はここ数年前に比して誠に隔世の感があるものの,根本的には矢張り早期診断,早期手術が望ましい事は今更改めて力説する必要もない。しかし癌の早期診断,特に視診,触診不可能な深在性の癌の診断は初期には顕著な症状を欠除する事が多い為極めて困難な事が多い。従つて現在迄発表された癌反応の種類は多数にのぼり,しかも未だに決定的なものがなく,その何れもが複雑なる操作と熟練を必要とし,日常臨床医家として利用し難いというそしりを免がれていない為に,更に簡便なる特異的診断法の必要性がつよく望まれている訳である。
以前より我々は我が教室に於いて使用している,松原氏法,P.G.I.法,瀬谷氏法などに就いて,その実験的成績を報告したが,此の度,広島大学楠氏は通常行い得る簡単な方法として,シナホリン皮内注射による一新癌診断法を発案し,その操作の簡便な事と,陽性度の高い事を指摘されたので,ここに紹介すると共に,併せて我々の得た追試成績を報告したい。
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