Japanese
English
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コルトマイシン軟膏の治療成績
SOME CLINICAL USE OF CORTOMYCIN OINTMENT
宇都宮 貞俊
1
,
洙田 明男
1
,
青井 彪
1
Sadatoshi UTSUNOMIYA
1
,
Akio NAMETA
1
,
Takehi AOI
1
1徳島大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tokushima University, School of Medicine
pp.179-183
発行日 1959年2月1日
Published Date 1959/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202489
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まえがき
皮膚疾患の局所療法は軟膏形式の改善発達によつて長足の進歩を遂げたが,さらにこれに拍車をかけたのはハイドロコーチゾン,プレドニゾロンなどの副腎皮質ホルモソ剤並びにクロラムフエニコール,エリスロマイシン,テトラサイクリンなど種々の抗生物質の配合である。湿疹を主とするいわゆるアレルギー性皮膚疾患に対するハイドロコーチゾン軟膏,プレドニゾロン軟膏の効果は既に定評のあるところであるが,依然として2,3の問題を残している。その第1は治療終了後の再発再燃であり,第2は病巣における細菌感染の問題である。細菌の二次感染が皮膚症状を増悪,拡大させることは今更いうまでもないが,貨幣状湿疹,伝染性湿疹様皮膚炎,自家感作性皮膚炎,細菌疹などでは細菌感染あるいは細菌性アレルギーを本態として特異な病像があらわれることが知られている。また副腎皮質ホルモンの外用が局所的に細菌に対する抵抗性を低下せしめることも考慮されなければならない。
従つて副腎皮質ホルモン軟膏と殺菌性薬剤の複合療法は病巣における殺菌効果に止らず,細菌性アレルギーの防止に役立つて一層すぐれた効果が期待出来ることになる。
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