Japanese
English
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完全重複非交叉性尿管の2例
TWO CASES OF UNCROSSED DOUBLE URETER CONTRARY TO THE WEIGERT-MEYER'S LAW
籏野 倫
1
,
西蔭 雄二
1
Hitoshi HATANO
1
,
Yuji NISHIKAGE
1
1慶応大学医学部皮膚科泌尿器科
1Department of Urology, School of Med. Keio University
pp.239-241
発行日 1959年3月1日
Published Date 1959/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202500
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緒言
重複腎盂兼重複尿管は尿路レ線撮影法の発達しなかつた過去に於ては手術或は剖検に際してはじめて発見されるに過ぎなかつたが現今に於ては種種の尿路レ線検査の場合にこれに遭遇することも稀でなく,これに関する臨床報告例も決して少くない。其の報告をみると尿管の完全重複:不完全重複の割合は凡そ1:3乃至4で稀に三重複尿管の報告もある。完全二重複尿管(以下完全重複尿管と略す)に於ては上腎盂からの尿管は下腎盂からの尿管口よりも内下方に於て膀胱に開口するのを通則とし,これをWeigert-Meyer法則と呼んでいるが,この場合,腎の発達に伴う軸回転の程度により各腎盂から発する2本の尿管は膀胱に至るまでに1〜2回前額面交叉を行うものである。しかしながら本法則に適合しない完企重複尿管も存在する。しかしこれは稀有であつて,本邦の報告例は昭和5年の林・末武の第1例報告以来,現在までに余らの例を含めて僅々7例にすぎない。余らは偶々本法則に適合しない完全重複尿管の症例を経験したので,従来の報告をも統計的に考察した。猶,斯かる尿管の畸型の発生機転に言及した報告は極めて少いがLund1)(1949)の提案した一仮説は,甚だ興味深いものと思われる。
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