Japanese
English
皮膚科図譜・92
類肉腫症
Sarcoidosis
福代 良一
1
Ryoichi FUKUSHIRO
1
1東大医学部皮膚科
pp.1204
発行日 1958年12月1日
Published Date 1958/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202404
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37歳,男。既往歴:23歳,肺浸潤。32歳,肺結核で入院。ストマイ治療を受けた。35歳,同症にて再び入院(国立清瀬),治療中。現病歴:26歳,左耳前部,胸,背などに小皮疹を生じ,漸次拡大,数もふえた。自覚症状はない。現症:両側耳前部,前胸下部(第1図),背,腰,膝などに手掌大までの局面がある。蒼紅ないし褐紅色,辺縁は堤防状に降起して硬く,中央は扁平化,一部に鱗屑を附着する。血沈促進,A/G比0.9,ツベルクリン反応陰性,Kveim試験陽性。リンパ腺腫脹があり,肺のレ線像に雲架状陰影が多数認められる。組織像:皮疹(第2図)では表皮扁平,直下に類上皮細胞の集団があり,中心壊死はない。リンパ腺(第3図)では明るく見える類上皮細胞結節がリンパ球群の間に縞模様をなして存在し,そのあるもの(第4図)ではヘマトキシリンに濃染した玉ねぎ状の物体(Schaumann bodies)を認める。
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