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海外トピツク
pp.926-927
発行日 1958年8月1日
Published Date 1958/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202346
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薬疹の特異な形と経過
Schleiffarth et Fengelerの最近の文献によると,約5%の人が薬物に対してアレルギー性反応を示すと云う。且そのアレルゲンは時代によつて異なることが知られている。又これ等の反応は発疹性皮膚炎性のものと,真皮血管性のものがある。皮膚炎では,病因に対する最初の一反応の場が表皮であるか真皮であるか不明である。しかしその組織所見は常に表皮性の反応即ちSpongiose,小水疱形成,Acanthosis,Parakeratosisを認める。この場合間葉性反応は単調で,主としてリンパ球様細胞が見られる。これに反し,真皮—血管性反応に於ては血管領域に於ける浮腫形成,内皮細胞増殖並に膨化,中膜壊死Fibrinoide degeneration,細胞成分では白血球系の種々の細胞が認められる。臨床上では紅斑,蕁麻疹,多形滲出性紅斑,結節性紅斑紫斑,紫斑,汎血管炎,結節性動脈周囲炎,アレルギー性小動脈炎等に相当する病変が見られる。
病理組織所見の如く,個々の要因の集合からは,一定の,例えばアレルギー性の原因を推定することは困難である。しかし一定の組織変化が一定の臨床像と結び付いていることがあるから,屡々組織像から臨床像を推定することが出来る。先ずHydantoin (Glykolyharnstoff)群による(内服後)皮膚炎を述べている。
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