Japanese
English
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泌尿器科領域におけるElkosinの治験
CLINICAL EXPERIENCE WITH ELKOSIN IN UROLOGY
落合 京一郎
1
,
黒川 一男
1
,
駒瀨 元治
1
Kyoichiro Ochiai
1
,
Kazuo Kurokawa
1
,
Motoharu Komase
1
1東大附属病院泌尿器科
1Department of Urology, Tokyo University Branch Hospital
pp.907-913
発行日 1958年8月1日
Published Date 1958/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202343
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I.緒言
1929年Flemingの青カビによる葡萄球菌の発育阻止作用の発見,Floreg等による治療上への応用を経て抗生物質の研究が盛んになり,現在は正しくカビの時代(Mould era)ともいわれ,そのためSulfa剤の使用範囲は全く狭められたかのごとき感をいだかないでもない。しかし,Sulfa剤にはSulfa剤としての特徴があり,現在においても化学療法の重要な一角を占めていることは論をまたない。
Sulfa剤は周知のように1935年DomagkのProntosilにはじまるが,当時その応用範囲は連鎖球菌,葡萄球菌感染治療に殆んど限局されていた。1938〜1939年Sulfapyridineが現われ,肺炎球菌,髄膜炎菌,淋菌感染症,球菌による敗血症,種々の桿菌による疾患及び2〜3のVirus態染症へと有効範囲が広まつたけれど,副作用の著明なことが最大の欠点であつた。1940年Sulfathiazoleなど一連の新しいSulfa剤の創製は,効力を高めると同時にその副作用を著しく滅少させることに成功,ひきつづき副作用を軽減しながら同効力を有するSulfa剤も既に2〜3に止まらない。このうち注目されるSulfa剤としてSulfadimetine(6-Sulfanilamide-2-4-dimethylpyrimidin)とSulfaisoxazoleがある。
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