Japanese
English
皮膚科図譜・88
白癬性(或は寄生菌性)毛瘡
A Case of Sycosis Trichophytica s. Parasitica
津田 正明
1
,
篠 力
1
Masaaki Tsuda
1
,
Tsutomu Shino
1
1国立別府病院皮膚泌尿器科
1Department of Dermato-Urology, National Beppu Hospital
pp.820
発行日 1958年8月1日
Published Date 1958/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202323
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- Abstract 文献概要
45歳 男子:顔面ことに顎部に剛毛が多い。32年1月より左下顎部に拇指頭大の潮紅と数個毛嚢に一致性に膿疱を発生,次第に増悪し結節と膿疱を作り膿汁分泌多量となる。サイアジン24g内服,クロロマイセチン8g,ペニシリン300万単位注射,アクロマイシン軟膏等を塗布するも次第に拡大悪化の傾向が強いので来院す。なお30年来右足蹠及び趾間に汗疱状白癬あり。
現症:(第1図)左側下顎部に小結節,結痂,毛嚢一致性の膿疱あり。膿汁分泌多量,大きさ鶏卵大の蜂窠状隆起ありて境界は比較的明確下顎淋巴腺腫脹小指頭大で圧痛軽度,膿汁培養にて白色葡萄状球菌を証明す。患毛を抜去,サブロー培地に培養するに湿性で発育良好の中心隆起した放線状の皺壁を見,表面微細粉末状を呈す。培地の裏面赤褐色。顕微鏡所見は第2図の如くである。トリコフイチン反応陽性(科研.Ir A-25p1)。以上の所見によりTrichophyton purpureum(Bang)と決定す。組織像にて炎症性細胞浸潤著明(第3図)。
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