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防水加工剤(オクタデシルエチレン尿素)による皮膚炎
DERMATITIS BY THE OCTADECYL-ETYLEN UREA
桜井 仁吉
1
Sakurai Jinkiti
1
1金沢大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology. School of Medicine, Kanazawa University
pp.695-698
発行日 1958年7月1日
Published Date 1958/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202298
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I.緒言
科学技術の進歩と共に新しい職業性皮膚疾患の発生する事は夙に注目されて居る1)。オクタデシルエチレン尿素剤は第2次大戦中ドイツで軍用繊維を処理する為にパージストルVS (或はヘキスト1/85)と云う商品名で大量に製造され,其後西独ヘキスト社からプリメニツトVSとして発売され世界的に使用されて居る。此の防水加工剤はオクタデシルエチレン尿素を主成分とし,これに少量の界面活性剤が加えられてクリーム状のペーストになつて居る。我国でも数年前から同一組成の防水加工剤が製造市販されるに至り,その有するすぐれた特性の為に一般に採用される様になつたが,昭和30年末に山梨地区ではじめて此の薬品によると思はれる皮膚炎患者が発生した。しかし慈恵医大皮膚科の指示に従つて対策が行われた結果,その後は新患者の発生が見られなくなつた。然るに昭和31年5月頃から石川県の某染色工場に於て,此の薬品によると思はれる皮膚炎患者が引続いて2名発生したので,之等の皮膚炎患者に就て研索した所見を報告する。
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