Japanese
English
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尿路感染症に対するUrocydalの治験
A CLINICAL STUDY ON UROCYDAL, IN THE TREATMENT OF URINARY TRACT INFECTION
田村 峯雄
1
,
山口 武津雄
1
,
品川 猛
1
Mineo Tamura
1
,
Mutsuo Yamaguchi
1
,
Takeshi Shinagawa
1
1大阪市立大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermato-Urology, Osaka City University Medical School
pp.639-643
発行日 1958年6月1日
Published Date 1958/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202286
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I.緒言
ペニシリン以下のいろいろな抗生物質が相次いで発表せられ細菌感染症に対して高い効果を示していることは周知のことであるが,これに対してサルフア剤の抗菌剤としての地位は決して地に落ちた訳ではない。その後の撓まざる研究の結果幾多の優秀なサルフア剤が治療界に登場した。サルフア剤の作用基NH2—SO2が細菌及びその生活要素に対して強い親和性を有して抗菌作用を発揮する。そしてこれに附属する—NH—R1または—R1基は一部抗菌作用にも重要な役割を持つているが,特にサルフア剤の物理化学的性状に変化を与へ,その吸収排泄及び体内解毒作用等に差異を生ぜしめて,サルフア剤の副作用の程度を増減する。かくしてサルフア剤はその抗菌スペクトルを拡大し,その副作用を軽減して,抗生物質とは作用機序を異にする抗菌剤として発展した。
Urocydalは1957年,N,N,R.に収載せられた新サルフア剤であつてSulfamethizoleといわれ,既に欧米に於いて尿路感染症の治療に応用して著るしい効果を得ている。
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