Japanese
English
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Urocydal(Sulfamethyl thiadiazole)による尿路感染症治験
A NEW SULFONAMIDE, UROCYDAL, IN THE TREATMENT OF URINARY TRACT INFECTION
西村 栄雄
1
,
細井 儀三郎
1
Hideo NISHIMURA
1
,
Gisaburo HOSOI
1
1弘前大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Dermato-Urological Department of Hirosaki University
pp.555-559
発行日 1959年6月1日
Published Date 1959/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202566
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緒言
尿路感染症の治療剤としてサルフア剤及び抗生物質が一般に広く使用されているが,これ等の薬剤に対する各種細菌の耐性獲得傾向は諸家の斉しく認める所であり,未だ全面的解決をみるに至らない問題である。従つて,これが一助として新しい抗生物質の発見と並んでサルフア剤に対する再検討が日常の診療面から強く要望されていることは多言を要しない。かかる意味で最近登場をみたSulfamethylthiadiazoleは尿路感染症に対して選択的に作用すると云う点で極めて注目すべき新サルフア剤である。本剤は2-sulfanilamido-5-methyl-1,3,4,-thiadazoleにして下記の構造式を有し吸収,排泄が速やかで且つアセチル化率が僅少(10%以下),尿中溶解度が高く,血液中に於ては殆ど全部が血漿中に存在し,変形菌,緑膿菌,大腸菌,連鎖球菌,葡萄球菌,好気性菌等に広く感受性を有する事等が特長とされており,Urolucosil,Sulfamethizole,その他の名称で欧米に於て広く使用されている。我国に於てもUrocydal(1錠中本剤0.25gを含む)等の名で使用されており,治療成績に関しても既に多数の報告がなされているが,今回我々も尿路感染症36名に対し本剤を使用する機会があつたので,これ等臨床成績について簡単に報告したい。
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