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連載 皮膚科学に貢献した医学者たち・10
色素性蕁麻疹(その3)
Urticaria pigmentosa
高橋 吉定
pp.248-253
発行日 1974年3月1日
Published Date 1974/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201279
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5.フランスにおける見解
フランスにおいては色素性蕁麻疹を説明するのに,二とおりの傾向が見られる.その一つは本症に関連した記述を歴史的に行うもので,最初に色素性蕁麻疹を古典的に記載し,次いで最近明らかにされた肥満細胞症をつけ加えるのである.他の一つは色素性蕁麻疹を初めから肥満細胞症の一型と定義し,肥満細胞症を概観して,その中に色素性蕁麻疹を位置づけるのである.前者は歴史的敍述法を襲用した従来からの見かたであり,後者は,イギリスやアメリカにおけると同じく,疾患包括的の新しい観点に立つものといえよう.
ここには本症記載のこの二つの代表として,DuperratとDegosとの記述を掲げるが,先ず歴史的立場をとるDuperratの記すところを述べる.
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