他科の知識
小児泌尿器の外科
辻 一郎
1
Ichiro TSUJI
1
1北海道大学医学部泌尿器科
pp.1433-1438
発行日 1967年10月20日
Published Date 1967/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204435
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はじめに
われわれの教室の統計によると,泌尿器科を訪れる幼小児の割合は年々ふえてきて,最近では外来・入院ともに全体の11%をこえている.
12年間の泌尿器科外来小児患者約1,500例のうち,4割強は一応泌尿器外科の対象となる疾患であつた.もちろんそのすべてがただちに外科的治療を必要とするものではなく,この期間に実際に手術した幼小児は204例(泌尿器科外来小児の14%,入院の80%),314回手術である.内訳は,尿道下裂(22%),停留睾丸(11%),半陰陽(5%)などの外陰部先天性異常に対する手術が全体の40%を占めてもつとも多く,次は尿路通過障害に対する手術の27%(うち先天性下部尿路通過障害に対する手術14%)となり,以下先天性尿瘻6.7%,泌尿性器腫瘍6.7%,結核5.7%,結石2.5%,外傷2.5%の順であつた.
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