Urological Letter・167
ハンナー氏膀胱症候群
pp.27
発行日 1975年1月20日
Published Date 1975/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201897
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過去数年間に,ハンナー氏潰瘍に似ているが,われわれの知つているクラシックなハンナー氏潰瘍とは違つたはつきりした形の膀胱疾患を認めてきている。
昔のハンナー氏潰瘍は,液で膀胱を膨らますと出血する個所が膀胱壁に何ヵ所かあり,その他の膀胱壁はまつたく正常にみえるものである。膨脹させなければ普通は潰瘍は見えない。尿もまつたく正常である。筆者のいう病気はハンナー氏膀胱症候群(Hunner bladder syndrorne)と記載しているように,クラシックなハンナー氏潰瘍ではない。ここでいう病気はクラシックなハンナー氏潰瘍の症状を有するが膀胱容量が減少したもので,検査してみると膀胱容量は減つており,尿は正常である。液で膀胱を膨脹させてもハンナー氏の潰瘍はみられない。内尿道口附近およびその側方に延びている場所の粘膜から出血するのであり,これらの部分が主出血部位である。これ以外の部位から出血することもあるが,潰瘍はみえない。電気焼潟すべき部位もない。クラシックなハンナー潰瘍はほとんど常に,そして例外なしに膀胱のなんでもない所にみられるものである。
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