Japanese
English
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Hirudoid軟膏の皮膚疾患に対する応用
THE APPLICATION OF HIRUDOID OINTMENT ON SKIN DISEASES
宮崎 寬明
1
,
船橋 俊行
1
,
昼間 哲
1
Hiroaki Miyazaki
1
,
Tosiyuki Funabasi
1
,
Satoshi Hiruma
1
1東京大学医学部附属病院小石川分院皮膚科
1Dermatological Clinic of Koishikawa-Branch Hospital,University of Tokyo
pp.337-340
発行日 1957年4月1日
Published Date 1957/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201937
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ヘパリンが血液凝固阻止剤として,血栓性静脈炎その他血栓症の予防並に治療に応用される事は周知の如くであるが,尚それ以外の臨床的応用としてはBeiglboeckはその局所注射は皮膚,腱等の瘢痕性拘縮,関節強直等に有効なりと述べ,Kellerは瘢痕ケロイドの治癒せる症例を報告している。又急性滲出性炎症に対して卓越せる効果あり,Donzelot 及び Kaufmannその他により関節リウマチに対する効果が報告されているが,皮膚疾患に就いてもDe Gracianskyは湿潤性湿疹に応用して極めて速かに滲出を阻止すると述べ,Magnerは天疱瘡に,Azerad 及び Grupperは多型滲出性紅斑に,Meyer de Schmidt 及び Ne-umannは慢性蕁麻疹に,Langhofは先天性表皮水疱症にそれぞれ有効なりと述べている。但しヘパリンは高価であり,使用に当つてプロトロンビン時間の測定を要し,又副作用の面の顧慮もあつて一般に簡単に使用されるに至つていない。
Hirudoidは脊椎動物臓器より抽出されたヘパリン様物質とされ,軟膏として市販されて居り,之を皮膚に塗擦することにより容易に体内に吸収され,血液凝固時間を延長すると云われている。
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