--------------------
レスタミン石鹸の洗浄殺菌効果に就て
新井 蔵吉
1
,
小原 俊夫
2
1昭和医科大学中央研究所細菌部
2昭和医科大学皮膚科教室
pp.830-835
発行日 1956年11月1日
Published Date 1956/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201815
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
序文
レスタミン石鹸(以下R石鹸と略す)は良質な石鹸に塩酸ヂフエンヒドラミン0.1%,ビチオノール0.4%,チメロサール0.05%を含有し,安全で強力な続効性の殺菌力を有し,湿疹等の皮膚疾患の患部清浄を容易にし皮膚毛髪の清浄保護を促進する目的で作られた石鹸である。塩酸ヂフエンヒドラミンは抗ヒスタミン作用と共に抗アセチルビヨリン作用を有し,総てのアレルギー性疾患に対し常に優れた効果を発揮する。その主体は化学名β-dimethyl aminoethylbenzhydryletherで,沸点154〜157℃/2mmに於て溜出する油状物質でエーテル,ベンゾール等の有機性溶媒に良く溶解する。その塩酸塩は最も良く用いられ,その融点は168〜170℃である。
ビチオノールは米国Sterling-winthroP研究所で合成され,化学名2.2'-dihydroxy 3.3'-5.5'-tetrachlorodi-phenylsulfideで融点185.7〜187.7℃,0.1N苛性ソーダに溶解し尚アルコールに僅かに溶解する。
Copyright © 1956, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.