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クロールプロマジン疹の1例
三浦 俊夫
1
,
中西 淳朗
1
1東京電力病院皮膚科泌尿器科
pp.797-799
発行日 1956年11月1日
Published Date 1956/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201808
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抗ヒスタミン剤の研究途上に出現したPheno-thiagin系薬剤は自律神経系に対する遮断作川が著明なる為,強化麻酔と人工冬眠に多く使用され,中でもクロールブロマジン(以下「クロ」と略)ば植物神経不安状態又は生体反応の過度動揺に対する安定剤として,各科領域に広く使川され,皮膚科領域でも,山碕,北村(精),小堀,山本,籏野,三島,高田,神村,野口,斉藤等諸氏の報告がある。
本剤の皮膚科学的副作用として従来報告されて居るものに,接触性皮膚炎とMargolis等の報告した皮膚炎がある。Margolis等は53例の精神病患者に本剤を内服せしめ,治療開始後9〜37日の間に掻痒のある紅斑,丘疹を躯幹,四肢にのみ認めた症例を7例観察し,内6例は休薬2〜7日以内に皮疹は消褪し,1例は引続き投薬するも12日目には自然に消褪し,何れも本剤の再投与により再発を認めなかつたと報告して居る。
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