スポロトリコーゼの2例

　スポロトリコーゼーは，アメリカに於て，1898年Schenckが最初に記載，1900年Hekton ＆ Perkinsが菌の増養に成功，以後主としてフランスで研究され，1903年deBeurmann et Gougerot，次いでMatruchot ＆ Ramondは詳細な検査の結果病原菌をSporotrichon Beurmanniと名付けたが，今日ではその他10余種の菌が証明されている。

　我国に於ては，文献によれば，大正8年西沢・田辺の4例が初めとされているが，土肥章司先生によると本名文任氏が最初であつたという。その後既に約40年を閲するが，その報告は年に2，3例を数うるに過ぎず，未だその症例は多くない。