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温泉と皮膚疾患との関係(第4報)—膿皮症の温泉療法(鳴子温泉)
阿部 政雄
1
,
浜田 芳郎
2
1東北大学医学部皮膚科教室
2東北大学鳴子分院皮膚科
pp.119-121
発行日 1956年2月1日
Published Date 1956/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201614
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従来温泉の適応症として膿皮症を挙げているものは少く,僅かに硫黄泉が殺菌力あるため慢性の膿皮症,癤腫症等に有効とされているに過ぎない(A.Mayer,樋口,大島)。各種殺菌剤或は抗生物質の輩出の目覚しい今日,膿皮症は比較的簡単に治癒するものが多く,特に膿痂疹の如きは軟膏塗布のみでも速かに治癒するので,今更温泉療法を問題にする必要はないのであるが,実際の湯治現状を見ると膿皮症の患者が割合多く,且つ好転するものよりむしろ増悪するもの或は湯治中に膿皮症を併発するものが少くないので,敢て膿皮症と温泉との関係を記し,識者の警鐘としたい。
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