Japanese
English
綜説
皮膚病と温泉療法
THE BALNEOTHERAPY OF THE SKIN DISEASES
利谷 昭治
1
Shoji TOSHITANI
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyushu University School of Medicine
pp.115-121
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200092
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.緒言
皮膚病を温泉によつて治療しようという試みは古くから行なわれてきたが,最近の新しい抗生物質や副腎皮質ホルモン剤などの登場により,皮膚病の治療法は飛躍的な進歩をとげたにもかかわらず,今日なお,慢性難治性皮膚疾患に温泉療法が行なわれ,相当な効果を収めていることは注目に値する。
しかしながら,従来わが国で行なわれてきた温泉療法は民間療法の域をでず,純経験的に治療され,ヨーロッパのごとく温泉地の現地にあつて,適切な温泉療法の指導をする泉医が存在しないため,往々過度入浴にながれ,あるいは不適切な温泉治療によつて,しばしば増悪または重篤な副作用がみられることから,臨床医家が患者から温泉治療の相談をうけた場合に躊躇されるのも肯ずける。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.