小さな工夫
精管精管吻合術における両端針の使用
朴 勺
,
友吉 唯夫
pp.550
発行日 1990年6月20日
Published Date 1990/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904648
- 有料閲覧
- 文献概要
手術用顕微鏡を用いた精管精管吻合術の縫合方法には,一層縫合と二層縫合がある.いずれの縫合方法においても最も重要なことは,正確に粘膜と粘膜を縫合し,精子が漏れないようにすることである.われわれは,初期には二層縫合をこころみたが,顕微鏡手術に不慣れであったため,強拡大での顕微鏡下操作には困難を感じた.とくに,精管の粘膜が弱いため縫合時に粘膜が裂けたり,精管の内腔から外側への運針は比較的容易であるものの,精管の外側から内腔側への運針は,内腔に鑷子をいれて反対側の粘膜までかけないように縫合するのであるが,困難であった.
一層縫合においても,このような運針には困難を感じた.そこで,両端針を用いて,運針を常に内腔側から外側へできるようにした.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.