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淋疾の臨床培養診断成績について
小野田 洋一
1
,
宮沢 清
1
,
大辻 重五郎
1
,
山口 令
1
1神奈川県立屏風ケ浦病院
pp.321-323
発行日 1955年5月1日
Published Date 1955/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201428
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A序言
細菌が抗生物質の作用を受けるとその形態を変える事を野嶽1)及 Simkovics2)等は既に発表しているが,単球菌が双球菌の形を呈したり又或種のグラム陽性菌はその一部を陰性化したりする事も考えられる。最近臨床的に治療に抵抗する双球菌が何時迄も認められてペニシリン抵抗性淋疾等と云われたりするが,之は培養検査の結果別種の細菌感染だつたと云う報告が内外に散見されている。現在淋疾の診断に分泌物の塗抹単染色標本のみでは勿論の事,グラム染色をして鏡検しても不充分であると云われている。殊に女子淋疾については顕微鏡検査だけに頼る事はナンセンスに近いとさえ云われる様になつて来た。
本院で行う淋疾の診断法は①分泌物の直接塗抹標本の鏡検による淋菌の発見と②培養による淋菌の検出とを併用している。尚培養検査法は①20%人血加Bacto Proteose No.3 Agarの平板に分泌物を塗抹し②37℃48時間Candl jar methodで培養し⑧定形的集落の発見と④Oxydase反応の有無及び⑤この集落をグラム染色して⑥淋菌の確認を行つている。
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