特集 皮膚泌尿器科診療の進歩
癩の諸問題—主として病型分類と治療
佐藤 三郞
1
1東北大学抗酸菌病研究所
pp.755-764
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201325
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近年に於ける癩学の進歩は色々あるが,中にもサルフオン療法を主とする治療の進歩と病型問題の新たな進展,BCG接種による癩の予防措置への希望は劃期的のものがある。我々は残念ながら不幸な大戦のためこれ等斯学の発展から閉され,久しく国際的研究水準の以下に置かれたが,漸次その後れを取り戻しつつある。尤も戦時中には,不幸にして実を結ばなかつたとは言え,セファランチン(長谷川.橋本両教授),虹波類(尾形・宮崎)の様な頗る興味ある治療藥に就ての優れた研究があり,戦後には先に寺田教授の電子顕微鏡による癩菌と所謂超神経原繊維に関する新知見があり,近くは緒方富雄教授によるカルヂオライピン抗原による癩の血清診断学への一大寄与があつた。次に目下,国際的に最も議論の多い病型問題と輓近飛躍的発展を見た癩の治療に関し,いささか解説を試み度い。
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