特集 皮膚泌尿器科診療の進歩
皮膚結核の2,3の問題—皮膚初感染徴候,統計,結核菌の耐性
谷奧 喜平
1
,
松山 雅彦
1
1東京大学医学部皮膚科教室
pp.765-769
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201326
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A)皮膚初感染徴候
primary tuberculous Complex of the skin
1912年Ghonは肺臓,腹部の初感染と同様,皮膚にも初感染がある筈であると述べた。これより以前1888年にTscheningが斯る症例を報告している。次いでBoeck,Milian,Dietl,Hamburger,Chanceller,Epstein,Goebel,Duken,Gering,Wahlgren,Stieda,Haxthausen,Milian et Delarne,Ramel,Levy,Bernard,Wichman,Brunsgaard,Krantz,Volk,Rotnes,Bezecny,Akerberg,Michelson等の記載があり,最近に至つてGrady,Rucci,Bolgert et al,Gadrat et al,Gilje,Hellerström,Bleveland,Brück,Keilの報告がある。特に小児科方面より注目され,Engel et PirquetのHandbuck(1930)には是に関する章が掲げられている。Miller(1953年)は5年間に皮膚初感染徴候20例を経験し,一般に云われているより多いものであると述べている。感染経過としては外傷に続発することが最も多い。
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