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皮膚科領域に於けるメチカル(第一製藥)の治驗
石田 啓
1
,
有森 正尚
1
1新潟大学医学部皮膚泌尿器科教室
pp.370-372
発行日 1954年6月1日
Published Date 1954/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201225
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I.緒言
メチカルはDLメチオニンと塩化カルシウムの複塩を注射液として調製されたもので,1筒20cc中にDLメチオニン400mg,塩化カルシウム400mg含有しているものをメチカル1号とし DLメチオニン600mg,塩化カルシウム400mgを含有しているものをメチカル2号として第一製藥より市販されている静脈注射液である。即ちメチオニンは,Mueller.J.H(1921)1)Rose.W.C(1938)2)等が言つている様に必須アミノ酸としての価値と共に,Best.C.H(1932)3)の言う脂好性因子としての作用4)5),又 Stekol(1941)6)の主張した解毒作用を有し,これらが塩化カルシウムのもつ消炎作用,アレルギー性疾患に対する特異的作用と相俟つて,急速の効果が期待されている。
性状(PH5.6〜5.7)CH3—S-CH2—CH2—CH-COOH-CaCl2NH2 我々の教室では最近メチカル(1号)を濕疹,皮膚炎,藥疹等2,3の皮膚疾患に応用して,治療経過を観察し,良好な臨床効果を得たので報告する。(以下メチカルはすべて1号を示す。)
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