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ヂューリング氏疱疹状皮膚炎に對する乾燥甲状腺末使用例に就て
鮫島 武臣
1,2
1千葉大學醫學部皮膚泌尿器科教室
2多摩相互病院皮膚科泌尿器科
pp.13-15
発行日 1954年1月1日
Published Date 1954/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201128
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緒言
ヂューリング氏疱疹状皮膚炎は,1884年ヂュールング氏により慢性天疱瘡より獨立疾患として記載せられた,紅斑水疱發生を主徴とせる疾患であつて今日迄に定型的のものは勿論,非定型なものに及ぶ迄幾多論述されており,其の病因に關する研究も種々行われて來たが,未だ不明で,内分泌障碍説,精神感動説,榮養神經障碍説,脊髄神經障碍説,中毒説,細菌傳染説,更に食鹽蛋白代謝異常等,種々の要因が考慮されて居る現状である。從つて之が治療にあたつても,從來最も効果的とせられておるGermaninを始め,Penicillin,Sulfapyridine,副腎皮質ホルモン,自家血清注射,更に近時著効を奏せりと報告せられし,乾燥甲状腺末,Adrenocorticotropic Hermone(ACTH)牛腦下垂體前葉移植等々,取捨選擇に迷わされる状態である。最近私は本症の1例を得,種々療法を用いた結果,終に乾燥甲状腺末により治癒せしめ得たので此處に報告しようと思う。
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