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デユーリング氏疱疹状皮膚炎に對するACTHAR使用例に就いて
安部 達義
1
,
守屋 昭二
1
1廣島醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.122-126
発行日 1953年3月1日
Published Date 1953/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200920
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緒言
デューリング氏疱疹状皮膚炎は,1884年Duh-ring氏により慢性天疱瘡より獨立疾患として記載されて以來,今日迄に定型的のものは勿論,更に非定型的なものに及ぶ迄幾多論述されておる。然しながらその原因と目されるべきものに單一とされるものなく,内分泌障碍説,精神感動説,榮養神經障碍説,脊髄神經障碍説,中毒説,細菌傳染説,更に食鹽蛋白代謝異常等種々の要因が考慮されている現状である。之を治療的方面より眺むれば,最も效果的とされるGermaninを始め,Penici-llin,Sulfapyridin,副腎皮質ホルモン等その記載は全く多岐にして止まるところを知らない。最近我々は本症の1例を得,第一製藥會社より提供されたるAdrenocorticotropic Hormone(ACTH-AR)を得,從來の治療藥品に見ざる最も效果的な治療效果を擧げ得たので,此處にその成績について報告しようと思う。
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