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皮膚科図譜・89
ヂユーリング氏疱疹状皮膚炎
Dermatitis herpetiformis(Duhring)
水野 信行
1
Nobuyuki MIZUNO
1
1関東逓信病院皮膚科
1Kantō Teishin Hospital, Department of Dermatology.
pp.1019
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202365
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23歳男子。3カ月来,初め肘窩から,つづいて胸部,頸部,顔面の順に,全身症状を伴わない,強い掻痒のある皮疹を発生した。上肢の伸側,背及び前胸部に連圏状,境界鮮明な紅斑が多数にあり,その上に,特に辺縁部に多く,小丘疹,小水疱が線状に配列する。中心性治癒の傾向を示し,この部分は色素沈着が著しく,また粃糠性鱗屑を附着しているところもある(第1図)。肘窩部の皮疹は神経皮膚炎に類似し,色素沈着,紅斑,小丘疹,落屑が混在する(第2図)。顔面では半米粒大までの色素沈着斑が多数に散在し,また少数の糜爛面をみとめ,1部には痂皮が附着する(第3図)。
細織学的に小水疱は典型的な表皮下のtension bullaeを示し,acantholysisをみない。水疱の基底部には多数の好中球と少数の好酸球を認める。真皮上層には浮腫を有し,表皮基底層には色素が増殖している。真皮上層には好中球及び好酸球,中層には小円形細胞の血管周囲性浸潤を認める。
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