皮膚科圖譜・29・30
汎發性白癬/偏側性シヤンバーグ病
香川 三郎
1
1東大皮膚科
pp.515-516
発行日 1953年9月1日
Published Date 1953/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201030
- 有料閲覧
- 文献概要
35歳男子。昭和21年シンガポールにあり,當時股,頸に頑癬を生じた。23年内地に還つたのち,苔癬化兼落屑性の病變全身に擴がり,更にその後2年間に頭部,顔面,躯幹に大小の腫瘍を生ずるに至つた。全身皮膚は浸潤,肥厚,色素沈著し,苔癬化し且つ粃糠樣に落屑,頭部,顔面,肩胛,上膊等に小豆大より小鶏卵大,扁平隆起性の腫瘍が散在,左耳殻脱落し去り,そのあとに掌大の潰瘍を生ぜる他,被髪頭部に小潰瘍,小瘢痕交錯し,又鼻梁破潰し,上口唇厚く肥厚,變形している。
これ等腫瘍り切開,切除後化膿して生じたものである。表在腺何れも腫脹。鱗屑のアルカリ處置標本,腫瘍及びリンパ腺の組織標本に多數の菌糸を認め,鱗屑,腫瘍,腺からの培養によつて一樣に猩紅色白癬菌を得た。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.