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「レ」線潰瘍と交感神經手術
竹内 幸孝
1
1東京遞信病院外科
pp.503-505
発行日 1952年10月1日
Published Date 1952/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200820
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吾々は惡性腫瘍に對して所謂根治手術を行つた場合其の成果を償うため或は豫防的の意味でしばしば術後X線照射を併用するがこの場合悪性腫瘍を目標としているのであるから照射は充分に行わねばならぬことは論を俟たない。然しその場合副作用としてレントゲン火傷を發生することも時にまた己むを得ない。X線火傷時の潰瘍は普通の潰瘍と異り變化は深部にまで及び殊に血管が侵されるので創の治癒傾向は極めて惡いこと且つ激烈なる疼痛を伴うことがその特徴とされている。
從來之が治療としては無刺戟性ワセリン,ラドン軟膏,アネステジン軟膏等又は連續的に温浴をとらすとか種々の鎭痛劑,麻醉劑が用いられている。時には潰瘍面を切除して有莖皮膚移植を行う様なことも試みられるが局所の肉芽不良なる爲所期の目的を達することはしかく簡單ではない。何れにしてもその經過は極めて長く特に激痛に對する患者の苦痛は大きい。
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