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膀胱粘膜血管腫に就て
奧井 重敬
1
,
兒玉 和志
1
1長野赤十字病院皮膚泌尿器科
pp.497-499
発行日 1952年10月1日
Published Date 1952/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200818
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緒論
血管腫は多くは先天性の發育異常に依るもので一種の過誤腫(Hamartome)に屬するもの多く,一般には眞性腫瘍と區別している事が多い。血管腫の發生部位は軍純性血管腫は皮膚及び皮下に最も多く,海綿状のものは皮膚に好發し,筋肉,肝臓,腎臓等の諸器官にも稀に見られ,蔓状のものは皮膚に好發するが時折内臓諸器官にも見られる事があると云われている。粘膜殊に膀胱粘膜に發生せる血管腫の報告は本邦に於ては,阿久津氏(大正8)以來今日迄に僅かに9例に過ぎない。本症の主訴は1,2の例外を除き殆んど全例が血尿を訴えているが,吾々は最近病理組織學的に典型的な海綿状血管腫の像を呈せる巨大なる膀胱粘膜血管腫を經驗したが,其の臨床所見が從來の報告とやや趣を異にしているので,自家症例を報告すると共に主として本症の臨床的事項に就て,考察を試みる次第である。
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