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陰嚢皮膚白癬について
占部 治邦
1
,
坪井 尚
1
1九州大學皮膚科教室
pp.488-489
発行日 1952年10月1日
Published Date 1952/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200813
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白癬菌の陰嚢に對する態度は極めて特異であつて,例えば頑癬が陰股部に廣範團にわたつて病巣を形成しているような場合でも陰嚢部位だけがひとり侵襲をまぬがれているのは毎常われわれが經驗するところである。しかしながら頑癬が陰嚢にも波及した症例はFort BenningにおけるHo-pkinsの報告もあつて絶無ではないようであるが,ここに述べるのは幼兒の陰嚢皮膚に原發した小水疱斑状白癬で,從來の症例とはいささか性格を異にするが,これを機會に白癬と陰嚢皮膚との問題にふれてみたいと思う。
なおこの症例は第51回九州醫學會の第13分科會の席上當教室奧野助教授により圖読せられたが,その後菌學的検索をとげたのでその成績を記載する。
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