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泌尿器科領域に於ける注射用パスナールの試用成績
外松 茂太郎
1
,
石田 秀正
1
,
前田 明
1
1京都府立醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.289-294
発行日 1952年6月1日
Published Date 1952/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200742
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I緒言
結核症に對しては現今Streptomycin (SM)が最も強力なる治療劑なることは明白である。然しながらSMの缺點は結核菌が速かに抵抗性を獲得することと,主として前庭機能障碍なる副作用の存在することである。Para-aminosalicyl酸(PAS)は結核菌の抵抗性を得さしめること殆ど無く,又あるとしても甚だ僅微である。尚SM抵抗性の結核菌に對しても良く作用し,且つPASをSMと併用することに依り,SM抵抗性の獲得を遅延減弱せしめ得ると云われる。此がPASがSMに對して優位を占める點である。
山來PASは主として内服として投與され,從つて之が内服に依る治驗例は泌尿器科領域に於ても屡々報告されている。即ちCarstensen1),Mo-eslin,2)Ragaz,3)Dempsy a.Logg,4)Erdei5)等は腎並に膀胱結核に對し相當有效なりとしている。
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