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肢端硬化症Akrosklerose Selleiの1例
佐藤 直子
1
,
伊藤 宜子
1
1東京大學醫學部皮膚科教室
pp.91-93
発行日 1952年2月1日
Published Date 1952/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200679
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肢端硬化症Akrosklerose Selleiは四肢末端及顔面皮膚の特徴ある硬化と,Raynaud病樣血管運動障碍とを主徴候とする,固より甚だ稀有な疾患である。而かもこのものが果して獨立性疾患であるか否かの點,及之を鞏皮症,Raynaud病,その他類似疾患と如何にして鑑別すべきかということ,これ等は從來も論議のあるところである。
最初本症を鞏皮症から分離,獨立させ,これにAkroskleroseなる病名を與えたのはSellei(1931)であつて,彼はその症候,病因,鑑別診斷,治療に就て詳細に記載しており,それはO'Leary& Waisman(1943),Litter & Canter(1951)等によつて支持された。本邦では昭和11年我教室から小野氏が類似の症例を報告したのち,昭和17年やはり我教室から齋藤,關村,齋藤三氏が本症2例を報告せるのみであつたが,最近再びこれと思われる1例に遭遇したので,茲に其概略を述べる。
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