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副睾丸結核に合併したSpermainvasionの1症例
阿部 禮男
1
,
向山 敏幸
1
1新潟大學醫學部泌尿器科教室
pp.88-91
発行日 1952年2月1日
Published Date 1952/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200678
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著者等の1人阿部は,既に日本泌尿器科學會雑誌第42巻,第6號に精虫侵襲症の1例報告をしたが,その際に本症に就て1)文献的考察,2)確實な診斷は組織學的検索に俟つ外はないこと,3)左程稀な疾患ではなく,只我々が見落していた丈であること,4)更に剔除標本の連績切片検索の結果,その病因に就て,Orsos,Friedman andGarske,Obemdorfer及Cronqvistの主張する細精管上皮の損傷を前提とする説に反して,精虫自身の副睾丸内で活動性を得ることが前提であり上皮の損傷は斯く活動化した精虫による二次的なものであると言う假説を述べた。
其の後本症に就ては,大森・齋藤氏;伊藤・大黑氏;田村・長谷氏等が相次で學會で發表しており,本症は漸く本邦に於ても關心を持たれ出した。我々の教室では最近更に結核性副睾丸炎に本症の合併した文献上の第2例目を經驗したので,茲に症例の報告と共に,再びその病因,特に本症と結核との關係に就て私見を追加述べてみたい。
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