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高位脊髓麻醉下の着色膀胱鏡所見
宍戸 仙太郎
1
,
新田 貴一
1
1國立仙臺病院外科
pp.410-412
発行日 1951年9月1日
Published Date 1951/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200578
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外科的腎疾患の機能検査に着色膀胱鏡所見が不可缺なことは論を俟たない。之は一般に無麻醉乃至尿道粘膜の局所麻醉に依り行われているが,神經質な被検者や,その他の事情で,腰椎麻醉の下で検査をした方が,殊に初心者にとつては有利な場合も珍しくない。その際,普通は低位脊髄麻醉が行われているが,從來,麻醉の高さと色素排出との關係に就て餘り注目されていなかつた爲,時に皮膚知覺麻醉の上界が劍状突起高や乳嘴高に迄波及することも考えられる。
私達は0.3%ペルカミンSの高比重麻醉藥に依る脊髓調節麻醉下の腎機能を少しく検索中であるが,麻痺波及の高さにより,色素排出に著明な時間的及び量的差違を認めた。以下その成績を簡單に記述し,着色膀胱鏡検査に際し腰麻を行う時は,麻痺波及の高さに留意すべきことを警告したい。
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