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産科に於ける下部脊髓ヌペルカイン麻醉
Herbert E. Schmitz
George Bara
pp.230-234
発行日 1948年12月1日
Published Date 1948/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200144
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産科に於ける理想的麻醉劑は母兒兩者に絶對安全であつて,又同時に好ましからぬ副作をもたず,例へば分娩の進行を妨げず,四肢を痲痺させず,或は藥物反應其他がなくてしかも自覺的に全く快適なものてなくてはならない.胎兒に對する最大安全度の立場からは脊髓或は仙骨麻醉の右に出るものはない.何故なら,藥劑中毒反應症及抑壓反應皆無で母體の突出力を緩和し,ために有害外力が消去されるからである.
Pitkin及はMc Cormackは1928年,臀—會陰部麻醉,20竓のプロカインを含んだ高比重液を硬膜外に注入して効ありとし,續いてLull及Hingsonは彼等の"無痛分娩"といふ刊行物内で,Metycainの少量(15〜22.5瓱をリンゲル液にとかす)を1及第2腰椎内に注射することにより持續的脊髓麻醉に成功したと報じた.更に最近Adriani及Roman-vegaは,Nupercain溶液に葡萄糖を加へる事により混合物を高比重性(hy—perbasic)にし,患者に混合物を腰椎内に注射してから座位をとらせる時間を變へることにより.麻醉有効領域の高さを調節することが出來ると發表,Parmley及Adrianiはこの手技を産科麻醉に應用した.
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