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喰腎血蝨の1例
大森 淸一
1
,
佐藤 誠
1
,
小山 千萬喜
1
1東京警察病院皮膚泌尿器科
pp.118-120
発行日 1951年3月1日
Published Date 1951/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200476
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緒言
昭和10年度に橋季喬(1)は信濃川上流に於いて血尿患者が集團的に發生し,此の尿中に蜱を發見し,喰腎血蝨に仍るものであると記載した。泌尿器科領域で,我々が血尿と蜱との關係を身近に知らされたのは此の報告が始めてであるが,文献には既に明治27年に三宅とスクリバが報告しているようである。橋本の報告では,蜱の種類と血尿の關係に於いて多少了解に苦しむ點もあつたが,最近我々は喰腎血蝨症の1例を經驗し,蜱の種類を明かにし,且つ血尿との關係も些か知る事が出來たので,此所に報告する次第である。蜱の鑑定及び種々御助言を戴いた農林省林業試驗所獵政調査室,岸田久吉博士に謝意を表する。
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