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プロトミンの腎,膀胱結核への使用經驗
岡 直友
1
,
柴田 蔦子
1
1名古屋市立大學醫學部皮膚泌尿器科
pp.68-71
発行日 1951年2月1日
Published Date 1951/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200462
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緒言
さきに名大の淸水助教授らは第11回日本皮泌科學會東海地方會にて,本題に關しての經驗を報告し,その詳細を實驗治療誌248號(昭和25年4月)に載せ,本劑使用の批判を下し,使用の7割に著効を奏したといつている。私らもまたほゞ同じ頃,プロトミンの腎膀胱結核への使用經驗を得たので,記して以て清水助教授らへの追加としたい。
プロトミンはジフェニール・ヂアミノ・スルフォン體の一誘導體であつて,1941年Feleman, Hinshaw以來多くの研究者により,その臨床的應用の研究がなされて來たが,要するに人體における結核治療には,動物試驗にあらわれたる程の効果が期待出來ないということになつている。たゞこれがストレプトマイシンと適宜に併用することによつて,ストレプトマイシン單獨の治療よりもよい治療效果があげられることにその使用價値があるもののごとくである。しかし,ストレプトマイシン治療に堪えざる者(經濟的に,また副作用發現のために)に,他に的確な治療法なき,腎膀胱結核症例に應用して,何分の效を得ることあらば幸の考えで試用したのである。
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