臨床實驗
原田氏病にオーレオマイシンを使用しだ經驗
永田 誠
1
1京都醫大附屬病院
pp.260-262
発行日 1951年4月15日
Published Date 1951/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200830
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緒言
原田氏病の原因本態に關しては今日迄種々の説があり,從つてその治療に就いても原因論により種々の立場よりの治療法が試みられて來たが,特に有效なるものは無い。本教室に於ても高橋實氏による精細な實驗的研究あり,本疾患の原因を1種の濾過性ヴィールスに求めているが,此の觀點より本教室淺山教授は先年發病後間もない本症の1例にサルファメラジン(以下サ・メ・と略す)の靜注を行つて卓效を見,更に發病後可成經過したもの,及び再發症例にも試みて著效を認めた。かゝる臨床經驗より近來漸くヴィールス及びリケッチアに對し著明なる效果を認められつつあるオーレオマイシン(以下オ・マ・と略す)を試用して見たいと考えていたので偶々入院中の原田氏病の再發症例及び發病後數カ月を經るもなお相當炎症の激しい1症例にオ・マ・を應用し或程度の治效を認めたので此處に報告する次第である。
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