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皮膚科と臨床生理學(II)
山本 淸
1
1慈惠會醫科大學生理學教室
pp.227-231
発行日 1950年6月1日
Published Date 1950/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200354
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前號では,1.痒みの感覺について,2.皮慮の透過性に關連して,3.皮膚缺損について,などの項目をあげて,一應臨床生理學の面からの見方をのべた.諸外國で刊行されている病態生理學の成書とは行き方をかえて,更に臨床に近いものとしての臨床生理學(第1部既刊,第2部近刊)を私は書いて見たが内科學や外科學に關しては不完全ながら一應筋道の通つた記述が可能であつた.しかしその他の科については私にとつて殆んど不可能に近い.それは,皮膚科などがわれわれが日常話題にのせる生理學から甚しくへだたつてしまつているためであつて,生理學の方からこれら臨床醫學の方へ橋をかけることが困難なのである,しかし,飜つて見ると,皮膚科學の領域では多くの病態生理學的研究が行われているようである.これらの貴重な材料を臨床生理學の立場から體系ずけたい意欲は大いに感じている.
以下前號につづいて後半をのべるのであるが.との小篇を「皮膚科臨床生理學」としないで,「皮膚科と臨床生理學」と題したのは,上にのべた氣持を含めたもので,體系のととのわないものであることをおことわりしておく.
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