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輸尿管結石患者にみた高度の膀胱出血
岡 直友
1
1名古屋女子醫科大學
pp.82-87
発行日 1950年2月1日
Published Date 1950/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200317
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緒言
尿路結石における血尿の消息をみるに,渡邊教授(昭和11)によれば,腎ないし輸尿管結石の77%.膀胱結石の50%に,また高橋教授(昭和11)によれば上部尿路結石93例中46例即ち49%に肉眼的血尿がみられるという.尿路結石においては血尿は主要症状の一つであるとはいえ,その程度は種々で,かなり高度の場合があつても凝血を混するが如きは稀であつて,後述の報告例に因んで上部尿路結石に關してみるに,本邦文献では,石川(日泌,23卷,8號,521,昭9),田苗(皮と泌,9卷,1號,54,昭16)の例にみられる丈のようである.
膀胱出血に關しては,後述する所であるが,この際に小凝血塊のために尿線の中絶を來すことはあつても,膀胱を充滿する凝血塊のために膀胱切開を餘儀なくせらるるが如きはその例が少い.
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