特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
E.小児の手術
【尿管膀胱新吻合術】
111.膀胱尿管逆流症のため尿管膀胱新吻合術を行った患者です。術後,高度の尿管閉塞がみられます。どのように対処すればよいでしょうか。
山口 孝則
1
1福岡市立こども病院・感染症センター泌尿器科
pp.345-347
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101188
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膀胱尿管逆流症(vesicoureteral reflux:VUR)を含めた尿管膀胱移行部狭窄に対する尿管膀胱新吻合術は,泌尿器科領域において日常よく行われる手術法である。通常,尿管の拡張のほとんどない症例に対するこうした逆流防止術は確立された術式があり,ほぼ合併症もなく安全に行われる。
一方で尿管瘤,尿管異所開口などの尿管下端部異常や巨大尿管など,術前より尿管の拡張の高度な症例に対する尿管膀胱新吻合術は,手術術式の選択や適応,さらに手術そのものに問題があると吻合部の通過障害が生じ,術前よりも水腎水尿管症の悪化をきたす。
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